「…でも、身分が違いすぎるのよ」
心が、何かに引っかかる。
ぐっと息がつまる。
身分の違い…?
「たとえ双方が想い合っていても、決して結ばれる事はないわ。高い身分でも、王族と比べられると身分が違いすぎる」
容易く言ってしまえる、言葉の数々。
それが何故、こんなに胸をかきみだす。
―俺は、ベルカを……。
額に、冷たい雫が降ってきた。
空は曇っても陰ってもないのに、雨が降ってきたのだ。
会話がなくなり、代わりに走り去る足音が聞こえる。
動けなかった。
動く事が、できなかった。
頬にも肩にも、雨が容赦なく降ってくる。
水色の瞳が、閉じた。
雨じゃない。
雨じゃない、もっと温かいものが頬を流れ落ちていく。
初めて、いや初めてじゃない。
きっと、初めてじゃない。
いつもどこかで、思っていた。
自分は『王』だと。
他とは違う、『王』であると。
この国の、1番身分が高い『王』なのだと。
雨が、降りそそぐ。
どこまでも続くような空が、限りあるものに見えた。
終わらない夢は、ない。
大事なのは、その時誰が隣にいるかという事なのに……。
どこまでも今が大切な自分に、ラーバンは唇を噛み締めた。
心が、何かに引っかかる。
ぐっと息がつまる。
身分の違い…?
「たとえ双方が想い合っていても、決して結ばれる事はないわ。高い身分でも、王族と比べられると身分が違いすぎる」
容易く言ってしまえる、言葉の数々。
それが何故、こんなに胸をかきみだす。
―俺は、ベルカを……。
額に、冷たい雫が降ってきた。
空は曇っても陰ってもないのに、雨が降ってきたのだ。
会話がなくなり、代わりに走り去る足音が聞こえる。
動けなかった。
動く事が、できなかった。
頬にも肩にも、雨が容赦なく降ってくる。
水色の瞳が、閉じた。
雨じゃない。
雨じゃない、もっと温かいものが頬を流れ落ちていく。
初めて、いや初めてじゃない。
きっと、初めてじゃない。
いつもどこかで、思っていた。
自分は『王』だと。
他とは違う、『王』であると。
この国の、1番身分が高い『王』なのだと。
雨が、降りそそぐ。
どこまでも続くような空が、限りあるものに見えた。
終わらない夢は、ない。
大事なのは、その時誰が隣にいるかという事なのに……。
どこまでも今が大切な自分に、ラーバンは唇を噛み締めた。


