「朝言った事は、全て本当です。俺は真実を知った事で、ラーバン王から殺されそうに…」
「…なって、この方から全て教えてもらったんでしょう?」
ラクトンは、顔を上げて手の平でレベッカを示す。
…と同時に、レベッカの整った顔を疑うように見つめた。
俺は一瞬レベッカのその美貌に驚いたのか、と少しずつレベッカに対して苛立ちがつのってきたが、そうではないらしい。
「レベッカ・ラクロイム…」
「はい!?」
もしかしてラクトンは、レベッカの昔を知っているのだろうか。
「ラクトン、レベッカ・ラクロイムですよ!!本物の!!」
「…嘘だ。この人がレベッカ・ラクロイムなら、貴方は…」
俺を指差しつつ、ラクトンはソファーから身を乗り出した。
これは、絶好のチャンスなのかもしれない。
「俺は、レディック・ラ・アンサーです!!」
ラクトンは、俺の顔を数秒見つめたが何かを諦めたように顔を下げる。
「…今夜から、私の家にお泊まりください」
「ラクトン…さん」
「不本意ですが、貴方をレディック・ラ・アンサーだと認めます」
照れたように頭をかき、深く息を吐いた。
感動で、手が震える。
「…ありがとうございます」