One s death -the last sword-

全て、知っていたのだ。
俺が背中を向けたそのうしろで、こいつ達は剣を握っていたのだ。
吐く息が、震えた。
ドクンドクンと、心臓が波打つ。
「嘘だ…」
「全て知っていたよ。私が全てした事だ」
「嘘だ…」
「今から7年前、私は1つのある王国が欲しくなった。大きく美しい湖と、豊富な資源。広大な土地…」
「嘘だ…」
「私はすぐ行動に移した。約2万の兵を率いて、強く欲する王国へ向かった。お前の母国、ラ・サズリック王国へ」
「嘘だ…」
「大した事はなかったが、お前の父親は最期まで戦っていた。兵士達を次々と斬り、奥にひかえる私の所まで来た。そして最期には、お前に仕えている騎士にお前の事を頼み息絶えた」
「嘘だ…」
「お前達は、運が良かった。私は、お前達をこの王国に置く事に決めた。お前の父親…クリスタント・ラ・アンサーに興味をもって」
「嘘だ…」
「嘘と言ってほしいのか?」
その時、奥のカーテンから王が姿を表した。
貫禄をたたえた、難しい表情に少し微笑みをうかべている。
赤く、綺麗に手入れされた長いマントにかかった金色の髪。
「私達は見事、ラ・サズリックを手にいれる事ができた。だが、あの戦でラ・サズリックの緑は絶えた」