レベッカの強さに、どうしようもなく惹かれる。
その強さが、欲しい。
全てを受け入れ、自分らしくいられる、そんな強さが―…。
小さな子供をあやすように、レベッカは謝り続ける。
「すみません、レディック様…」
自分の無力さがもどかしくて、悔しくて、俺の目からはついに涙が溢れ出す。
自分の体が自分の体じゃないようで、涙が止められなかった。
その間にも次々と襲ってくる兵士達を、レベッカは確実に斬っていく。
「…数が多すぎますね。レディック様、走れますか?怪我の方は、大丈夫ですか」
「走る?」
「はい」
俺の背中が強くおされ、つんのめりそうになりながらも、その場に立つ。
…前を見ると、誰もいなかった。
でも後ろを振り返ると、確実にレベッカは戦っている。
俺の行く道は、安全な道。
「逃げてください、レディック様!!…走って!!」
……逃げる?
俺はまた、逃げようとしているのか。
危ない道はレベッカに全て任せて、俺は逃げようとしているのか。
走らない。
低く、自分にも聞こえない声で呟く。
俺は、まだ、走らない。
俺の足は後ろに向かって駆け出した。
過去は変わらないけれど、いつでもやり直せる。
後ろに向いて、走れる。
その強さが、欲しい。
全てを受け入れ、自分らしくいられる、そんな強さが―…。
小さな子供をあやすように、レベッカは謝り続ける。
「すみません、レディック様…」
自分の無力さがもどかしくて、悔しくて、俺の目からはついに涙が溢れ出す。
自分の体が自分の体じゃないようで、涙が止められなかった。
その間にも次々と襲ってくる兵士達を、レベッカは確実に斬っていく。
「…数が多すぎますね。レディック様、走れますか?怪我の方は、大丈夫ですか」
「走る?」
「はい」
俺の背中が強くおされ、つんのめりそうになりながらも、その場に立つ。
…前を見ると、誰もいなかった。
でも後ろを振り返ると、確実にレベッカは戦っている。
俺の行く道は、安全な道。
「逃げてください、レディック様!!…走って!!」
……逃げる?
俺はまた、逃げようとしているのか。
危ない道はレベッカに全て任せて、俺は逃げようとしているのか。
走らない。
低く、自分にも聞こえない声で呟く。
俺は、まだ、走らない。
俺の足は後ろに向かって駆け出した。
過去は変わらないけれど、いつでもやり直せる。
後ろに向いて、走れる。


