誰かが、「王…」と呟いた。
空は青く広がっていて、どこまでも続いている。
民の心には、レディックの水色の目がうつっていた。
「もういいんだ…。
王は戻ってきた。そして、あの方なら必ず、国を進ませてくれるだろう」
確信になったその思いに、ディットはいつしか頷いていた。
「…もう終わりなのか?」
目線を少し上げると、俺の目に再びラーバンがうつった。
また、あの呆れたような目。
俺は、無意識の内にうつむいて歯軋りする。
「まだだよ…っ、ラーバン王」
「そのような姿のまま、1人でどうする?
もう、お前の行動は見飽きた」
「…まだ、楽しませられると思うけど?」
悔しい。
俺は本当に、どこまで無力なんだ?
他人に迷惑をかけてばっかりで、そのくせ1人では何もできなくて、口ばっかり言って。
人1人の小さな不安も、一緒に支えてやる事もできない。
溢れ出る涙を必死に止めていると、突然木の影からレベッカが飛び出してきた。
走りながら流れるように兵士を斬っていくレベッカは、1瞬にして近くまで来ている。
俺を取り囲んでいた兵士も次々に斬られていき、レベッカが俺の手をとった。
「すみません、助けるのが遅くなって。大丈夫ですか?」
空は青く広がっていて、どこまでも続いている。
民の心には、レディックの水色の目がうつっていた。
「もういいんだ…。
王は戻ってきた。そして、あの方なら必ず、国を進ませてくれるだろう」
確信になったその思いに、ディットはいつしか頷いていた。
「…もう終わりなのか?」
目線を少し上げると、俺の目に再びラーバンがうつった。
また、あの呆れたような目。
俺は、無意識の内にうつむいて歯軋りする。
「まだだよ…っ、ラーバン王」
「そのような姿のまま、1人でどうする?
もう、お前の行動は見飽きた」
「…まだ、楽しませられると思うけど?」
悔しい。
俺は本当に、どこまで無力なんだ?
他人に迷惑をかけてばっかりで、そのくせ1人では何もできなくて、口ばっかり言って。
人1人の小さな不安も、一緒に支えてやる事もできない。
溢れ出る涙を必死に止めていると、突然木の影からレベッカが飛び出してきた。
走りながら流れるように兵士を斬っていくレベッカは、1瞬にして近くまで来ている。
俺を取り囲んでいた兵士も次々に斬られていき、レベッカが俺の手をとった。
「すみません、助けるのが遅くなって。大丈夫ですか?」


