One s death -the last sword-

ラクトンも一緒になって外を見ると、そこにはもう村人が姿を見せていた。
皆、敏感になっているのだろう。
「信じてない者もいるだろう。7年間の私達の苦労と悲しみは、とてつもないものだった。今日より明日の方が楽しいと、信じる事ができなかった…」
これは、王が自分に言ってくれた言葉…。
いや、前王が…。
「誰もが悲しんで嘆き、苦しんだが、誰1人としてこの国を捨てるという事は考えなかった。
この美しい国を手放す事は、考えなかった。
そんな所に突然『王だ』と来られても、信じないのは当たり前。しかもカスクライ王国に命を狙われているとなれば、とんだ迷惑だ」
窓の下は、とてつもなく静かだった。
1人1人の心の奥に、確実に言葉は届いている。
そう思いたい―…。
「…でも、あの方は確かにレディック・ラ・アンサー様であらせられる。
クリスタント王と同じ、輝かしい茶の髪に金色を混ぜた頭髪。透き通った水色の真っ直ぐな目…。
しかもレディック様は無意識の内に『マーク』をしるされ、『ウィード・ガウン』もさされている。
証拠が欲しいのなら、いくらでも言ってやる。あの方は、本物のレディック・ラ・アンサー様だ。
7年間皆が待っていた、正真正銘の王だ」