「キルクバルク様が今まで他国に真実を知らせる事ができなかったのは、カスクライ王国の勢力が強大すぎたから。そして確かな証人がいなくて、カスクライ王国が否定をすれば優先順位は決まったも同然。
ですが今、正統な血族の王族が現れた。他国も動かざるをえないでしょう。
いくらカスクライ王国でも、数国の国を相手にするとなれば…。手っ取り早く戦を避けるには、その証人を消すという方法しかないと思われます」
消す・消される・消してしまう・消してみる。
どうして人間の頭は、真剣な時にかぎって余計な事を考えてしまうんだろう?
俺は頭の中の雑念を振り払うと、前かがみになって馬のスピードを上げた。
できれば本音を言うと、1生カスクライ王国と関わりたくない。
だけど俺は、自分の意思で『王』になった。
そして、自分の国が大好きだからもう覚悟はできている。
国を守るためなら、自分の体もどうにだってなればいい。
前を見据えると、木々の間から太陽の光がこぼれていた。
1瞬だけ目を閉じると
ラーバン王の微笑んだ顔が
思い出された。
いくら作られた顔だと思い
消そうとしても
1度思い出した
『父』の顔は
消す事ができなかった。
ですが今、正統な血族の王族が現れた。他国も動かざるをえないでしょう。
いくらカスクライ王国でも、数国の国を相手にするとなれば…。手っ取り早く戦を避けるには、その証人を消すという方法しかないと思われます」
消す・消される・消してしまう・消してみる。
どうして人間の頭は、真剣な時にかぎって余計な事を考えてしまうんだろう?
俺は頭の中の雑念を振り払うと、前かがみになって馬のスピードを上げた。
できれば本音を言うと、1生カスクライ王国と関わりたくない。
だけど俺は、自分の意思で『王』になった。
そして、自分の国が大好きだからもう覚悟はできている。
国を守るためなら、自分の体もどうにだってなればいい。
前を見据えると、木々の間から太陽の光がこぼれていた。
1瞬だけ目を閉じると
ラーバン王の微笑んだ顔が
思い出された。
いくら作られた顔だと思い
消そうとしても
1度思い出した
『父』の顔は
消す事ができなかった。


