One s death -the last sword-

喉をならして水を飲み込むと、頭にくるような冷たさが下へと落ちていった。
膝の上に置いた膝かけが落ちないよう上げると、気をきかして召し使いが熱い紅茶を持ってきてくれる。
ディットも、俺に向かって酒を高く上げすすめてきたが、それは微笑むだけで終わった。
口から、情けないような言葉が滑り出てくる。
太陽は、部屋の中を明るく照らしていた。
「俺を、レディック・ラ・アンサーだと認めてくれますか」
ディットは、俺からの予想外の質問に一瞬言葉を失ったが、すぐに目を細めて姿勢を直し頭を低くした。
「…勿論です。昨日は、王への失態・失言の数々すみませんでした。私は、カルディルの街の方に行っていまして…。
貴方は、ラ・アンサー家の子孫ラ・サズリック王国レディック・ラ・アンサー様です」
その時、部屋の扉が勢いよく開いた。
驚いて立ち上がると、レベッカが歩いてくる。
「レベッカ…?」
レベッカの息は乱れていて、らしくもなく焦った表情だ。
「レディック様…っ大変で!!森に……」
「レベッカ!?」
レベッカは苦しみながらも、俺に目を向けて口を開いた。

時間をかけて、考える時間はなかった。
息が、柄にもなく乱れていく。