試すように口元に微笑を浮かべてみると、レディック様は言葉につまった。
目を泳がせながらも、口を開く。
「でも、でも国民の実態も見なきゃいけないし…」
「駄目ですね」
口に、食べ物を運ぶ。
その後もかなりの時間視線を感じ続けたが、無視し続けた。
「失礼します、ラーバン王」
部屋の中は、廊下と違い涼しい空気が漂っていた。
隣に立ったレディック様も、文句を言わない。
「レベッカ…と、レディックか?」
「はい、父上」
レディック様は、絶対にラーバン王の目を見ない。
意識しているのか、無意識の内なのかは分からない。
「レベッカ、そこに座れ。レディックも」
示された椅子に座り、ラーバン王が座るのを待つ。
微かに、気高い薔薇のような香りが鼻をくすぐった。
城の中では、男であるのにラーバン王に恋心を抱いている者もいるらしい。
整ったその容姿を見ればそういう気持ちも分かる気もするが、自分はあまり感じられない。
元々、そういう事に興味がないせいなのかもしれないが。
「私からの、贈り物だ」
ラーバン王が懐から取り出したのは、1枚の写真だった。
そこには、見た事のあるようなないような女性がうつっていた。
「……見合い?」
目を泳がせながらも、口を開く。
「でも、でも国民の実態も見なきゃいけないし…」
「駄目ですね」
口に、食べ物を運ぶ。
その後もかなりの時間視線を感じ続けたが、無視し続けた。
「失礼します、ラーバン王」
部屋の中は、廊下と違い涼しい空気が漂っていた。
隣に立ったレディック様も、文句を言わない。
「レベッカ…と、レディックか?」
「はい、父上」
レディック様は、絶対にラーバン王の目を見ない。
意識しているのか、無意識の内なのかは分からない。
「レベッカ、そこに座れ。レディックも」
示された椅子に座り、ラーバン王が座るのを待つ。
微かに、気高い薔薇のような香りが鼻をくすぐった。
城の中では、男であるのにラーバン王に恋心を抱いている者もいるらしい。
整ったその容姿を見ればそういう気持ちも分かる気もするが、自分はあまり感じられない。
元々、そういう事に興味がないせいなのかもしれないが。
「私からの、贈り物だ」
ラーバン王が懐から取り出したのは、1枚の写真だった。
そこには、見た事のあるようなないような女性がうつっていた。
「……見合い?」


