あの日から
全て 変わった。

「…お前、名前は何て言う?」
道端に、まるでゴミのように倒れた俺に声をかけてきたラーバン王。
乾いた唇のせいでうまく言葉が出ず、口を動かすだけ。

口に、冷たい水が触れる。
ぼやけた視界に、水色の大きな瞳がうつる。

「…お前、名前は?」
「ザスクート・ラバサー……」

差し出された手は
泥にまみれ
行き場をなくした俺を
救ってくれる手だった

自然な涙が
乾いた頬を伝う


あの日から
俺は
たった1人の人間に
1生をかけた


後悔は
絶対ない