訴えるようなサラの顔が、頭の中を巡る。
1点を見つめてぼーっとすると、侍女が笑いながら通る。
そんな状況が嫌になり、勢いよく立ち上がると耳に声が入ってきた。
「この城に、間者がいるらしいわ」
瞬時に、柱の影に身を隠す。
「今、王も必死に探してるそうよ。何が目的なのかも」
どこから、バレたのだろうか。
自分の行動に、狂いはないはず。
勘の良い何者かが、気付いたのだろうか。
「その間者が見つかったら、どうなるのかしら?」
「……命は、ないわね」
死といつでも向かいあっている、この立場。
首筋には、剣の刃先。
バレるのは、時間の問題。
全てをさらけだしたら、サラはきっと俺から離れていく。
繋がりなんて、始めからなかった。
心の中なんて、見せない方がいい。
誰かに嫌われるなら
俺から嫌ってやろう。
誰かに傷つけられるなら
俺から傷つけてやろう。
もう、時はきた。
1点を見つめてぼーっとすると、侍女が笑いながら通る。
そんな状況が嫌になり、勢いよく立ち上がると耳に声が入ってきた。
「この城に、間者がいるらしいわ」
瞬時に、柱の影に身を隠す。
「今、王も必死に探してるそうよ。何が目的なのかも」
どこから、バレたのだろうか。
自分の行動に、狂いはないはず。
勘の良い何者かが、気付いたのだろうか。
「その間者が見つかったら、どうなるのかしら?」
「……命は、ないわね」
死といつでも向かいあっている、この立場。
首筋には、剣の刃先。
バレるのは、時間の問題。
全てをさらけだしたら、サラはきっと俺から離れていく。
繋がりなんて、始めからなかった。
心の中なんて、見せない方がいい。
誰かに嫌われるなら
俺から嫌ってやろう。
誰かに傷つけられるなら
俺から傷つけてやろう。
もう、時はきた。


