One s death -the last sword-

「…シャルバーナ?」
酷く、愚かに思えた。
父を、母を。
自然に沸き上がる笑みに、俺は逆らわなかった。
壮絶な、笑み。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
何度も謝る母を、呆然と見つめる父を。

結末は 決まっていた。
いつ どんな時でも
全てが
この結末に
繋がっていたんだ。


全部 壊した。

残ったのは 勝ったのは
たった9年しか
生きていない
少年だ。

勢いよく、走り出す。
扉を蹴って、見慣れた階段をかけおりる。
外は、何もなかったかのように時を刻んでいた。

ひとつの空間が壊れても、時は流れ続ける。

残酷に 無慈悲に。


9歳の少年を
壊しながら。