窓から入ってくる風は、冷たいものに変わっていた。
目をこすりながら、ベッドから立ち上がる。
「…眠……」
いつの間にか、眠っていたようだ。
月の光が、柔らかく差しこむ。
明かりをつけなくても、部屋の中は充分明るかった。
扉の鍵を開け、階段に出る。
明かりのせいで1瞬目がくらんだ。
階段をおりていくと、もう客は全員帰っていた。
あの、気にさわる笑い声もない。
「母さん…?」
声をかけてみても、返事はない。
どこかに出かけたのだろうか?
コップに水を注ぎ、一気に飲み込む。
冷たいものが、喉の中を滑り落ちていく。
「…い…から……」
玄関のベルが、静かに鳴った。
それと同時に、母の声もする。
「母さっ……」
玄関から現れたのは、確かに母だった。
だけど、隣には……。
「主人は?シャル?」
「今日はお仕事よ」
あの、甘ったるい声が耳に入る。
母が、父が留守の時に誰かを家に入れる事なんて滅多になかった。
しかも男性を。
とっさに、部屋の影に身を隠す。
心臓が、ばくばくとうるさくなった。
「じゃあシャル?あの、息子は?」
「ザスクートは寝てる」
寝てねーよ。
壁に、母と男性の影がうつった。
黒い、影。
目をこすりながら、ベッドから立ち上がる。
「…眠……」
いつの間にか、眠っていたようだ。
月の光が、柔らかく差しこむ。
明かりをつけなくても、部屋の中は充分明るかった。
扉の鍵を開け、階段に出る。
明かりのせいで1瞬目がくらんだ。
階段をおりていくと、もう客は全員帰っていた。
あの、気にさわる笑い声もない。
「母さん…?」
声をかけてみても、返事はない。
どこかに出かけたのだろうか?
コップに水を注ぎ、一気に飲み込む。
冷たいものが、喉の中を滑り落ちていく。
「…い…から……」
玄関のベルが、静かに鳴った。
それと同時に、母の声もする。
「母さっ……」
玄関から現れたのは、確かに母だった。
だけど、隣には……。
「主人は?シャル?」
「今日はお仕事よ」
あの、甘ったるい声が耳に入る。
母が、父が留守の時に誰かを家に入れる事なんて滅多になかった。
しかも男性を。
とっさに、部屋の影に身を隠す。
心臓が、ばくばくとうるさくなった。
「じゃあシャル?あの、息子は?」
「ザスクートは寝てる」
寝てねーよ。
壁に、母と男性の影がうつった。
黒い、影。


