遠慮がちな拍手が、静かに響く。
バイオリンを肩からおろし、低く1礼する。
その間に、不敵に笑ってみせた。
「とても良かったわ、ザスクート」
「ありがとう、母さん」
注意の言葉は、なかった。
「さあ、もう上に上がって。後から、夕食を運ばせるから」
半ば強引に、部屋を追い出される。
部屋から出る間、褒めの言葉はなかった。
階段を上がり、勢いよく扉を閉め後ろ手で鍵まで閉める。
「…ははは………」
声を押し殺しながら、自然な笑いが出た。
現実を突きつけられて困るのは、大人の方じゃないか。
どこまで、子供をなめてるんだ?
ベッドの上に横になる。
バイオリンを床に投げ捨て、揺れるカーテンを見つめた。
心地よい太陽の光が、部屋の中を優しく照らす。
幻想的な光の中、強く願う事があった。
部屋全体が、1色の光に染まる。
教会の鐘が、苛つく程うるさく聞こえた。
目を閉じてみると、すぐに暗闇が全てを隠す。
全てを、隠す。
祈りの声と、鐘と、幻想的な光。
どれをとっても、ザスクートを苛立たせる理由だった。
何が理由で、何が原因だ?
こんな上辺だけの世界なんて、壊れてしまえばいい。
バイオリンを肩からおろし、低く1礼する。
その間に、不敵に笑ってみせた。
「とても良かったわ、ザスクート」
「ありがとう、母さん」
注意の言葉は、なかった。
「さあ、もう上に上がって。後から、夕食を運ばせるから」
半ば強引に、部屋を追い出される。
部屋から出る間、褒めの言葉はなかった。
階段を上がり、勢いよく扉を閉め後ろ手で鍵まで閉める。
「…ははは………」
声を押し殺しながら、自然な笑いが出た。
現実を突きつけられて困るのは、大人の方じゃないか。
どこまで、子供をなめてるんだ?
ベッドの上に横になる。
バイオリンを床に投げ捨て、揺れるカーテンを見つめた。
心地よい太陽の光が、部屋の中を優しく照らす。
幻想的な光の中、強く願う事があった。
部屋全体が、1色の光に染まる。
教会の鐘が、苛つく程うるさく聞こえた。
目を閉じてみると、すぐに暗闇が全てを隠す。
全てを、隠す。
祈りの声と、鐘と、幻想的な光。
どれをとっても、ザスクートを苛立たせる理由だった。
何が理由で、何が原因だ?
こんな上辺だけの世界なんて、壊れてしまえばいい。


