授業が始まり俺は無意識に浪花さんの横顔を見つめていた
「〜なので、最後のこの文は直喩になります。それを踏まえて、遠野くん!この文読んでくれる?」
「...」
「...遠野くん?」
すると浪花さんが俺の方を向いて
「遠野くん?当てられてるよ」
「っえ、ああ、すいません...」
「ぼうっとしてないで授業に集中しなさいよ?後でこのプリント資料室まで運んでくださいね」
「え、ええ」
クラスに笑いが起こった
「ふふ」
浪花さんも笑っていた
俺は恥ずかしさのあまりに下を向いた
「取り乱したわね。授業続けますよ!」

