「おはよ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

そう言いながら走って来たのは、2人と同じ高校に通う春風 颯泰〈はるかぜ そうた〉。いつも元気いっぱいな爽やか男子である。


「おい、置いていくなよ…。」

「朝から元気だね、颯泰は。」

颯泰の後ろを走るのが、内田 陽翔〈うちだ はると〉と、速水 哲樹〈はやみ てつき〉。
陽翔は一般的にチャラい部類の方ではあるが、根は真面目。哲樹は1人1人の事をしっかり見て的確なアドバイスをするため、とても頼られる存在である。


「おはよ!皆!」

「朝から騒がしい。」

この3人は、剣道部所属で、彩と大和の小学校からの同級生。元々人見知りの彩は大和を繋がりに仲良くなったのだ。合流した5人はそのまま高校へ向かう。


「僕、次こそは皆同じクラスがいいなあ。」

「私も一緒がいい!文理で別れるし多少は確率上がると思うけど…。」

こう話すのは、颯泰と彩。男女の垣根がなく話す彼は、彩にとって気が合う友人の1人だった。

ちなみに、この5人。1年の時は、陽翔が3組、大和と彩が4組、哲樹と颯泰が5組と、なんとも言えないくらい微妙にバラバラだった。


「まあ、俺たち文系だしな!違かったら先生達に抗議してやろうぜ!」

「何適当なこと言ってんの、陽翔。」

「哲樹、もうこいつのアホさには諦めろ。」

何も考えていない陽翔の発言に、呆れる大和と哲樹。


彩たちが通う石山高校は7 : 3で男子の方が多く、2年生からは1〜3組が文系、4・5組が理系という風にクラス編成がされる。
1年生の時には5クラスの内何組になるかは、全く分からない。しかし、2年以降になると5人は1〜3組のどれかになるため、同じクラスになる確率がかなり高まるのだ。


こうして、新しいクラスの話で盛り上がる5人は、いつの間にか石高に到着していた。