「すみません誰かー!
僕達ヤンキーに絡まれて困ってるんですけどー!

助けてくださーい!
誰かー!!

僕達何も悪いことなんてしてないのにー!!」

え……?
さっき息を吸い込んだのってこれ言うため?

ぽかんとしていると、なんだなんだと周囲がざわつき始めて、人が集まって来ているのが分かった。

チラリと周囲を見渡すと、あたし達は野次馬に囲まれていて、悔しそうな三人組は逃げるように走り去って行くところだった。

「あいつらあっさり逃げてったな。
よし、野次馬増えてきたし、俺らも行くか」

「えっ? ちょっ……」

彼はあたしを腕から出してくれたと思ったら、手を繋いで歩きだした。

「ね、ねぇ、どこ行くの?
あなた誰?
助けてくれた、んだよね?」