背後からの怒鳴り声にピクリと肩が震えた。

「大丈夫だから」

え……?

呟くような声に思わず頭を上げて、男の子の顔を仰ぎ見た。

男の子は堂々と自信に満ちた表情で、前を見据えている。

恐る恐る、彼の目線を追うと、怒りに満ちて真っ赤になった顔で睨み付ける男性三人組の姿。

こ、こわい!
滅茶苦茶怒ってるっ!!

思わず、男の子の胸に顔を埋めて、ぎゅっとしがみついた。

よしよし、と男の子はあたしを安心させるように、背中を撫でてくれた。

な、何でこの人はこんなに冷静なんだろう?

怒ってる男性に絡まれてるんだよ?!
しかも一人じゃないんだよ?!

も、もしかして喧嘩が強くて負ける気がしないとか……?

細身だし、そんな強そうな感じはしないけど……。

彼の腕の中でそんなことを考えていると、すうっと彼が息を吸うのが分かった。