「ありさと瀬田ってなんだかんだと仲良いよね~」

「やめてよ美空っ」
「そうだぞっ!
俺が仲良くしたいのは立花なんだぞっ!」

あたしのぼやきに、二人は同時に返事をした。

「息ぴったり」

くすくす笑いながら帰る準備を続ける。
よし、と立ち上がってリュックを背負うと、ありさが瀬田からあたしに目線を移した。

「美空、行こっか」

「うん。じゃあね、瀬田」

手を振って歩きだそうとするも、動けなくなった。

「……瀬田、この手は何かな?」

「あんたやっぱり馴れ馴れしいのよっ! 美空を離しなさいってのっ!」

瀬田が、あたしの腕を掴んでじぃっと真っ直ぐ見つめている。何か伝えたいことでもあるのだろうろうか?

「瀬田……?」