「あっ! 美空っ!

始業式居なかったよね?!
休みだと思って心配したのにっ!
あんたって子は心配ばっかりかけてっ!

何で今いるの? 珍しい! 遅刻っ?」

「あ、うん、まぁちょっと……?」

まるで居たらおかしい、みたいなありさの言葉に、どう返していいか分からなくて、曖昧なことを言った。

ありさは同級生で親友なんだけど、親友と言うか、お母さん? お姉ちゃん? なんかそんな感じ。

何故かあたしはよく、彼女に心配をかけてしまっているらしい。

「ちょっとって何?
てかさっきの男子誰?

あぁ、めっちゃ根掘り葉掘り聞きたいけど我慢するっ!
放課後じっくり聞くからねっ! 」

体育館で行われていたであろう始業式帰りのありさは、絡んで来たかと思ったら、さっさと自分の教室に向かっていった。