確かに彼はあたしと同じ学校の制服を来ている。

「まぁいいけど……って、時間っ!」

タイミングよく、校内のチャイムが鳴り響いた。近くまで来ていただけに、それはもうはっきりと……。

ああ、どうしようっ! 遅刻しちゃダメなのに、もう間に合わない……!

がっくり項垂れたあたしをみた彼はきょとんとした。

「どした?」

「どしたって……!

新学期早々遅刻確定だよっ?!
困るでしょっ?!」

必死に事の重要さを伝えるも、彼には響かなかった。

「俺、困んないし。一限目始業式だろ? サボれてラッキーじゃん。
よし、二限目から行くか」

……!
こいつっ! 優しいし意地悪だし変なヤツだと思ってたけど、まさか不良でもあるっ?!

「あ、あたしは行くからねっ?!」

いくら恩人とは言え、不良に付き合ってはいられない。

「ふうん? いいんだ?」

「なっなに?」