「……。お前さ、運動神経も鈍いみたいだけどさ、もしかしてさ、それ以外も鈍かったりする?」

彼の台詞に首を傾げる。
なんで鈍さを聞くのか、やっぱり変なヤツだと思う。

「それ以外? ……痛みに鈍いとか?
怪我して痛いときは痛いから、そんなことないと思うけど」

「……。今のセリフで大体分かったわ。

ま、鈍いヤツに鈍いかってきくこと自体が間違ってたよな、うん」

無自覚天然鈍感か、危なっかしいヤツだ……とか何とか、ぶつぶつと分からないことを呟きながら、何やら一人で納得したような彼をジトリと睨む。

聞かれたことに素直に返事をしたら、謎の納得をされた。
訳が分からない。

「あ、それはそうとその制服。

お前同じ学校だったんだな。
一緒に行こうぜ」

あたしが睨んだところで気にもとめていないような彼は、ぽんっと手を打った。