「やっぱり変なヤツだよね。
しかもじわっと失礼だよね」

男の子はあたしの言葉にニヤリと意地悪な笑みを浮かべた。

「へぇ? 失礼はどっちだろうな?

二日連続で助けてもらっといて、ありがとう言われるならまだしも変なヤツ、失礼なヤツ呼ばわりとは。

あ、なんかまだ前のめってるけど、腕、離していい?」

あたしはブンブン首を左右に振って、捕まれてない方の手で必死に彼の胸元にしがみついた。

「ごめんっ!
変なヤツなんかじゃないよねっ!

ありがとう! メチャクチャ感謝してるから、お願い、離さないでぇっ!」

「わ、分かったから。
よし、ひとまず落ち着こうか。な?」

彼は慌てたようにしがみつくあたしをしっかり立たせ、自分から引き離した。