「美空っ! どこ行ってたのっ!」

「おバカっ! 心配したんだからねっ?!」

二人に声をかけると、同時に怒られてしまった。

「二人とも、ごめんなさい……。いつの間にかうっかりはぐれちゃってて……」

申し訳なくて二人の顔を見ることが出来ず、俯く。
そうだよね、凄く心配かけちゃったよね……。

突然いなくなってこれだけ心配かけたのに、絡まれたとか、知らない男の子に助けられたとか言ったら二人はどれだけ驚いちゃうんだろう……。
あたしは膝の前でぎゅっと拳を握りしめた。

「……はぁ、今日のところはいいわ。もう遅いし帰りましょう。ありさちゃんも、それで良い?」

「はい、おばさん。美空! 今日は、だからねっ! 明日! お説教だからねっ!」

返事をすることも出来ずに頷いて、あたしは二人と連れだってその場を後にした。

振り向いてみたけど、もうあの男の子の姿はなかった。