「ね、キミ一人?」

「可愛いねぇ、そんな困った顔してどうしたの?」

「俺らと遊ばない?」

ウロウロキョロキョロと二人を探していると、すぐ後ろで男の人たちの話し声が聞こえた。

なんだろう?
まぁ、とりあえずあたしには関係無さそうだ。

それよりお母さんとありさだ。
あたしは周囲を見渡した。
本当、いつはぐれたんだろ。

「あれ? 気づいてない?」

「キミだよキミ!
紺に朝顔の柄の浴衣のキミっ!」

ん? 紺に朝顔?
あたしは自分の浴衣を確認した。
あれ? もしかして、あたしのこと?

振り向くと、知らない男性が三人、ニコニコとこちらを見ていた。

「……?
勘違いだったらごめんなさい。
もしかして、あたしに話しかけてました?」