ドジな小説家見習いの冒険

「ミーナが話の中が出てくるってことはここは小説の中ってことね!」

「懐かしいわ〜」

美しい蝶のような羽を生やし、白色のふんわりとしたドレスを着た藤原英美里(ふじわらえみり)がはしゃぎ、赤いリボンのついた黒い軍服ワンピースを着た足立瑠花(あだちるか)が微笑む。英美里はヒーラーではなく妖精で瑠花は軍人だ。

「小説の中に入るなんて十年ぶりか……」

立派なグローブを手にはめ、露出の高い緑の衣装を着た早川大地(はやかわだいち)が言う。大地は剣士ではなく拳闘士だ。

「僕と未来ちゃんの婚約パーティーでみんな集まってる時に召喚されるって何かの運命けんね」

黄色いネクタイを結んだ黒い衣装を着た村瀬帆高(むらせほだか)が言う。帆高は考古学者ではなく魔法使いだ。

「みんなが……あたしの小説の中に……」

カミーユは嬉しさから胸が温かくなる。未来たちに会うことがカミーユの夢の一つだったからだ。

「それで、俺たちはどうすればいいんだ?」