ドジな小説家見習いの冒険

「帆高くん!未来ちゃん!離れて〜」

「榎本!村瀬!」

英美里と大地がキスを繰り返す未来と帆高を離そうとするが、強い力で二人は抱き合っているため無理だった。そして互いに息を苦しげにしながらようやく唇が離れる。

「ハアッ……一体これ……」

「ハアッ……ハアッ……何でこんなシーンがここで?」

未来と帆高は人前でキスをしたことに恥ずかしそうにしながらその場に座り込む。生で見たキスシーンにカミーユは内心ドキドキしていたのだが、リリスの笑い声で我に返った。

「この女はただの人間。私と一緒にいた方が魔法使いも幸せになれる。さあ、こっちへ来て?」

リリスはそう言い、帆高に手招きをする。帆高は「行かない!」と言い未来の手を強くつないだが、リリスが素早く魔法で帆高を拘束してしまった。黒い縄が帆高の体に巻き付き、リリスのもとに連れて行かれる。

「帆高くん!!」

「村瀬!!」

未来たちが叫び、帆高は「放して!!」ともがく。しかし、リリスは気にすることなく笑いながら姿を消した。