今度は瞬きを忘れて
絡めた視線を外さない


その瞳をジッと見つめていると


力が籠ったと同時に
腕の中へ閉じ込められた


「・・・っ」


「それが愛の想い、全部か?」


「うん」


「俺を受け入れて、俺と生きると?」


「うん」


背中に回された手に力が入った



「・・・やっと手に入った」



絞り出すような声に胸が苦しくなる
少し震える一平をギュッと抱きしめる


「これから大変だからね」


「俺は何も出来ねぇぞ?」


「一平は私を護ってくれるんでしょ?」


「あぁ」


「いつも側に居ることが仕事
私の仕事がスムーズに進むように図るのが仕事」


「それだけで良いのか?」


「一平と私、二人でニノ組だけど
田嶋組を再建するのは一平が組長に収まることが条件なの
だから、これまでのように
窓口は一平で動かすのは私
これまでと違うのは一平の命令でも“目”が動くこと」


「分かった」


思い描いたニノ組の先が
命を吹き込まれて色を付ける