兄の言葉のひとつひとつが心に響いて胸が熱くなる
いつも素直になれない私を
真っ直ぐ愛してくれている兄
頭から消えない繁華街のワンシーン
女の腰を引き寄せる兄
それが頭を過るたびに心が軋んで崩れた
隣に立つのはいつも私のはずなのに
居場所を奪われたようで
心がバラバラになった
あんな思いは二度としたくない
感情だけで突っ走った自分を
冷静に見つめながら
いつしか海沿いの公園に停められた車の中で兄の想いを待った
「18歳で住民票を取った時に受けた衝撃は・・・親父が違うってことよりも愛を諦めなくて良いことだった」
「・・・」
「愛のことを真っ直ぐに愛せると・・・」
「・・・」
「愛はいつでも愛しい俺の女だ」
「・・・」
「もっと一緒に居たい」
「・・・」
「もっと触れたい」
「・・・」
「もっと声を聞きたい」
「・・・」
「もっと正面切って嫉妬したい」
「・・・」
「もっと・・・」
「もっと愛に・・・愛されたい」