お隣さんはオオカミくん






「 さっきの女の子!」



あー、なにやってんだ私。




「 同じクラスの藤田さん。 」


名前なんか聞いてないもん。


「 戻ってあげればいーじゃん?その藤田さん?ももっと話したそうだったし。戻ってあげれば?」




さっさと 早歩きをする私と
後ろを歩くなっちゃん。




「 あっそ、じゃあ戻ってあげよーかな?」



えっ?戻るの?


予想外の返事に だいぶ戸惑ったけど
1回言っちゃったし
取り消すなんて できない。おとなげない。

それに別に戻ればいいじゃんね?

なっちゃんに彼女ができたら
喜ばしいじゃん。




「 じゃあね、ひま姉。気をつけて。」




だってここでやっぱ一緒に
帰ろうよって言ったら
私、ヤキモチ妬いてるみたいじゃん。


かっこわるいじゃん。




「 じゃあね! 」



なっちゃんだってなっちゃんの世界があって
なっちゃんの友達がいる


いつまでも 〝お隣さんの可愛い男の子〟じゃないんだ



振り返らず 角を曲がって立ち止まる