「だいぶ お腹 大きくなったなぁ…」

夕食の後で 2人並んで ソファに座って

京一は ゆっくりと 私のお腹を 撫でる。

「最近 よく動くの。きっと 活発な子よ。」


「どっちかな?」

「京一さんは どっちだと思う?」

「うーん。男の子かな。」

「男の子が いいの?」

「だって 女の子は いつか お嫁に行っちゃうだろ?」


「フフッ。私みたいに?」

「そう。涼子みたいに…俺みたいな男に 取れれたら 嫌だなぁ。」

「あら どうして?私 こんなに 大事にしてもらっているのに?」


2人で のんびり過ごす 春の夜。

温かな幸せに 包まれて。


私は そっと 京一に 寄り掛かった。

京一は 愛おし気に 私の肩を 抱き寄せる。


「俺 涼子に 初めて会った時 運命 感じたんだ…」

「運命?」

「そう。一目惚れだった。」

「まさか…私 そんなに綺麗じゃないわ。」

「涼子が クスッて笑った顔が 心から離れなくて。その後で どうやって 近付こうか そればっかり 考えていたんだ。」

「嘘でしょ?まさか…?」


私は 驚いて 京一から 少し離れると

京一の顔を 見つめた。


京一は 照れた顔で もう一度 私を 抱き寄せる。