窓に当たる 激しい雨の音で

目が覚めたのは 明け方。


私は そっとベッドを 降りて

カーテンを 開けてみた。


空は 妖しい色の雲に 覆われていて

海岸線の道路に 並ぶ 街路樹が

大きく 揺れていた。


危機感を 覚えて 私は テレビを点ける。


「んん…涼子?…どうしたの?」

「マジで 台風 来てるかも…」


「えっ?嘘だろう…?」

圭介は 裸のまま 窓に近付く。

「ホントだ…これ ヤバくない?」

「うん…私も そう思う…」


チャンネルを 天気予報に合わせると

沖縄上空を 直撃する 天気図が 

画面いっぱいに 映し出された。


船や飛行機の 運転を 検討していると

アナウンサーの 無機質な声が 伝え。


私と圭介は 黙って 顔を見合わせていた。