「涼子。そろそろ 結婚しようよ。」

京一が 私に言ったのは 

一緒に暮らして 1年が過ぎた頃。


「京一さん 本気で言ってる?」

「もちろん。涼子だって いつまでも このままじゃ 嫌だろう?」

「でも…結婚ってなったら 京一さんの ご両親にも 会わないといけないでしょう?」

「俺の親?大丈夫だよ。干渉しないから。涼子 俺を いくつだと思っているの?俺 この年まで 1人でいて。親は 俺の結婚を 諦めていたから。喜ぶよ。」

「そうかな…反対されるんじゃない?私なんか…」

「俺より 涼子の方は?ご両親に 挨拶しないとね。」

「うちは 大丈夫よ。私 意志曲げないって 知ってるから。」


「じゃ 何も問題ないね。いつ 涼子の実家に 行く?」

「京一さん 忙しいから…無理しなくていいよ。私 電話で言っておくから。」

「まさか。そんな失礼なこと できないよ。」


京一は 忙しい中 時間を作って

私の実家に 挨拶に行ってくれたけど。


京一の実家には 電話で報告しただけで。

私が 京一の ご両親に 会ったのは

少し 経ってからだった。