その夜 京一の胸で 眠った私は

もう 京一と 離れることが できなくなっていた。


私だって 年齢なりの経験は あったけれど。
 
京一は 私に 経験したことがない 歓びを教えた。


「んんっ…うっ。せんせい…」

「先生じゃない…京一。」

「あぁ…変になっちゃう… やめて。」

「駄目。京一って 言うまで やめない。」

「んっ。ああっ…きょう……いち…さん……」


私は 信じられない 感触に包まれて

京一の腕の中で 意識を失くしてしまった。


「涼子…大丈夫…?」

そっと 声を掛けられて 

私は 恥ずかしさに 顔を伏せる。


「先生。私…」

「あれ?また 先生って言った?もっと してほしいの?」

「んっ。もう…京一さんの 意地悪。」

「俺と 暮らせそう?」

「うん。離れたくないかも…」

「かも?」

「ウフッ。離れたくないです。」

「うん。涼子は 正直でいい子だ。」


私が 京一と暮らすことを 決めたのは

身体の相性が よかったからじゃない。


京一と 結ばれたことで

生理的な 愛情が深まったから。


「涼子…可愛いなぁ。俺 仕事の途中で 抱きに来ちゃうかも…」

「っんん?…あっ。あぁ…もう むり…」


京一は 外科医らしく タフで。

その夜は 繰り返し 愛されて。

私は 次の朝 起き上がれなかった。