時計を見ると、朝の七時になっていた。

(何だ、夢だったのか)

 久しぶりに見る父とハルの姿。夢の中とは言え、妙にリアルだったその姿形に、まるで実際に会ったかのような感覚でいた。

ハルはもう十六年前に亡くなっている。

 ハルと違い父は生きているし、会おうと思えばいつだって会える。

 夢の中でハルに出会えたことは嬉しい気持ちでいっぱいだった。しかし、口を利いていない父と会ったことは、複雑な感情だけが胸の中で渦巻くだけだった。

 さっき見た夢はまだ葉月が四歳くらいの時の夢だ。その当時は、ハルがまだ元気に走り回っていて、父とも仲が良くて、休みの日は必ず皆でどこかに遊びに行っていたんだっけ。

 でも、二十二歳となった今、まさかこんなことになるなんて、あの頃は思いも寄らなかっただろうな。