さっきから
「あの二人かっこよくない?」
とか
「逆ナンする?」
とか、そんな言葉ばかりがウチの耳に入ってくる。
イライライラ……。
スタスタとテンポよく、徐々にスピードを上げていきながら歩くけどさっきから
イライラすんのが止まらない。
半端ないイラつきを覚えながらもやっとの事で本屋についた。
入ってすぐに雑誌コーナーに直行し、バイト用の雑誌を指で追いながら素早く探す。
「捺夜……」
「うっせぇ!!!今、真剣に探してんだよ!!!話かけんなっ!!!うざってぇ」
「イャ、そうじゃなくて」
「ぁあ!?そうじゃなかったら何なんだよ?!!」
「バイト用の雑誌ってコーナー、あそこ」
遼がそう言って指差した方には、デカイ文字で“ファッション雑誌”とか書いてあって、
その隣にまたまたどデカイ文字で“バイト用雑誌”と書いてあったから、
馬鹿にされた気分で少しまたムカついた。
「知ってたんなら、最初からそう言えよっ」
それと同時に恥ずかしさも
……………少し覚えた。


