「捺夜ぁ、何も通帳ひとつで翔夜に一生会えなくなったんじゃないんだし」
「会えなくなったも同然だろうが!!!!」
「バイトして貯めればいいじゃん?」
・・・。
ウチは、遼がいる後ろをクルッと向いて、ガシッと遼の両手を掴み
「それだっ!!!!!」
と目をキラキラ輝かせて言った。
そうだ、金がなくても働けばいい。
金がないなら、働いて金を稼げばいいんだ!!!!
ウチは、そうと決まれば超特急で本屋に向かった。
バイト雑誌を買うために。
もちろん、遼はウチが言わないでもついてきてくれた。
「捺夜………周りの視線が痛いんだけど。
得に女子……」
「ぁあ?んなもん知るか。あれだよ、そいつらをカボチャと思えばいいんだよ」
そう適当に返事しながらスタスタと歩くウチに
「どんな考えだよ……」
と、後ろから小さいツッコミが聞こえてきた気がするけど
あえて気にしない。
んにしても、ホントに周りからジロジロ見られてるな………。
どいつもコイツもうざってぇ………。


