なぃ………。
確かにここに入れたはず。
「なぃ!!!なんでだよ!!?」
ウチの通帳は、顔を出さない。
「捺夜ぁ?入るぞぉ?……ってもう入ってるけど」
遼は、軽く一人芝居をしてウチの部屋にのんびりと入ってきた。
「おー……捺夜の部屋、以外と片付いてる」
「なんでないんだよ…」
感心している遼を完璧に無視してウチは通帳を探しながら部屋をあらす。
「おい、捺夜。さっきまで綺麗だったのに
一瞬でゴミ屋敷だぞ」
雑誌やら洋服やらが散らばってるせいか、ウチの部屋を汚く見せていてまるでゴミ屋敷状態だった。
「とりあえず、通帳は諦めろ」
「はぁ?!んじゃ、ウチイタリアにいけねぇじゃん!!」
「まぁ、完結に言うとそういう事になるな…?」
おぃ、遼。
そんな呑気に言って。
ウチに喧嘩売ってんのか?
「翔夜に会いにいけねぇじゃん!!!」
そんな遼はほっといて、ウチは両手で頭を抱え込みながら叫んだ。


