靴を履いていたウチの手が一瞬で止まる。



は?



「おまっ……なんでここに」



「早く捺夜に見せたくてね?来たんだ」




遼は、玄関に座っているウチを上から見下ろしながらケータイのボタンを押し、ポケットになおす。



「これが翔夜からの手紙だ」



そう言って遼がもう片方のポケットから取り出し、ウチに迷いもなく渡された手紙は



なんともシンプルに白い封筒。


封筒を裏返しすると、下の方に小さく「翔夜」って書いてあって、


字的に翔夜本人だと分かった。




「開けてみな?」



「ウチが?これは遼がもらったんだろ?」



「ウチが貰ったわけじゃないんだし……」と付け加えて言ったけど、



遼はニッコリ笑い、




「お前が開けないといけない気がして……」



なんだよ、その気分。


そうツッコミしながらも



「ありがとう、遼」



そう言ってウチは、


封筒を開けて、手紙を手にしたんだ。