「はぃ………」
何もできないウチは、微かな返事しか返す事が出来なかった。
『もしもし、捺夜?』
電話の相手は、
「遼か………」
これがまた、相手は翔夜なんじゃないかって思って期待していたウチは、
ちゃっかりあえて、名前を見なかったんだけど、
相手が遼と分かって、見事に空振りした気分だ。
「んで、何の用?」
今のウチには翔夜以外用もないし、言っちゃ悪いが興味もない。
『イャ……翔夜から……手紙がきてて…』
は!!!!?
「いつだよ!?」
『なんか、さっきまで俺ん家にきてたみたいでさ、
母さんにこれを遼にって言って手紙渡されたって
俺が帰ってきた頃にはもういなかったけど』
「内容は?!」
『そう言うと思って、開けてねぇよ』
「遼!!!今から学校の近くの白の色した小さなカフェにこれるか!!?」
ウチは、ケータイを肩と耳で挟みながら、靴を履く。
『イャ?』
――――――ガチャっ
『俺、もうお前の目の前にいるし』
ドアが勝手に開き、遼がヒョッコリ顔を出した。


