昔は
こんなヘロヘロした泣き虫な弟、
絶対に好きなんかじゃない!!!!
こんな奴好きになったら、ウチの人生ボロボロだっ
そんな言葉ばかりを、自分の頭に呪文をかけるかのように言い聞かせていた。
でも、
そう考える度に翔夜の存在はウチの中でどんどん大きくなって………
あれ?
なんで…………?
ウチは、遼を押しのけてハッとする。
「どうした?捺夜」
「昔の記憶がある……」
「え?」
「翔夜との昔の記憶があるっ………」
たぶん、全てを思い出せたのは
遼にウチが翔夜を好きだと気づかせてくれたからだ。
「遼、行くぞ」
ウチは黒のネクタイに紫のブラウスの上から、ベットの横にかけてあった上を羽織り
遼に呼びかける。
「お前、行くってどこにだよ!!?」
「何言ってんだよ。
ホストに決まってんだろ?」
イャ、全ては
一秒でも早く
翔夜に会うために。


