愁先輩が言った言葉に軽いエコーがかかる。
“そいつがゴールドプリンスの翔夜だ”
翔夜……
あの優しい笑顔が
ウチの頭に浮かび上がり、それと同時に
ウチの心を突いてくる。
「てめぇ、ぼーっとしてんじゃねぇよ!!!!!」
「やめろ!!!翔夜っ」
バコッ
そんな愁先輩の言葉は遅くて、ぼーっとしていたウチの頬に翔夜の固い拳はぶつけられ、
バタッ
「捺夜っ!!!!!」
「おい!!!誰か店長呼んでこい!!!」
遼が目を見開いたまますっ飛んできてくれた。
「捺夜!?捺夜!!!」
遼………
遼の声がどんどん小さくなっていく。
ウチはきつく目を閉じたんだ。


