「俺?二回ぐらいな?
でも今は……」
「おい、てめぇ、
喧嘩売ってんのか?!」
愁先輩の声を遮るように向こうから大声が聞こえてきた。
「またかよ………」
ハァ…と愁先輩は深いため息をついて困った横顔をウチは見上げていた。
ウチは声がした方に目を向けた。
向こうの方で背の高い二人がいて、一人の茶髪がもう一人の金髪の方を睨んで何かを言っていた。
「喧嘩売ってんの?」
「おい、やめろ!!!
二人とも……」
その瞬間、金髪が蹴ったクッションが……。
ボフ…
ウチの顔にクリーンヒット。
でも金髪は何も言わず喧嘩を続ける。
「おい、コラ。
てめぇウチに謝れや」
短気なウチは、ついブチギレして金髪にそう言った。
「ぁ?俺様に逆らうのか?てめぇ」
「俺様だかなんだかしらねぇが、お前が蹴った物ウチに飛んできたんだよ。謝れ」
「捺夜!!!!あんまり逆らうな!!!」
愁先輩がそう言った。
「そいつがゴールドプリンスの翔夜だ!!!!」
「え?」
翔夜…………?


