「では、新人二名に自己紹介してもらうからな」
店長にそう言われ、ウチと遼は前に出た。
周りの人はもちろん、全員男でちょっとだけウッとなる。
「捺夜くん?早く自己紹介」
店長からボソボソと小声で言われ、我に返り
「下田捺夜、21歳。
分からないところがたくさんあると思いますがよろしくお願いします」
ちなみに、下田って苗字を変えたのは
いざと言う時に誰にもウチの本名が分からないようにするため。
だから、年も
結構、嘘ついてみた。
「つぎ」
「はぃ。宮本遼、同じく21歳。
たくさんのご迷惑をかけると思いますが、一生懸命にやるのでよろしくお願いします」
遼がペコリと頭を下げた瞬間、拍手が巻き起こった。
遼は、この場では“真面目な男”に成り切るらしい。
その訳は、
つい、さっき更衣室で、
『二人ともヤンキーみたいな奴だったら、全っ然面白くねぇし、
真面目が一人ぐらい、いた方がなんか盛り上がるだろ!!!?』
『………』
あんた、いったん
病院行ってきな?
――――と言うわけ。


