「どこに迷ってんだ?
なんなら、手伝おうか?」


「大丈夫です!!!
もうすぐいきまぁす♪」




相手の質問に遼が勝手に答えた。



おい!!!
何勝手に答えてんだよ、
アホ遼っ!!!!



「そうかぁ?なら、皆待ってるから急げよ〜」



そう言った相手は、コツコツとカッコイイ足音をたてながら戻ったみたいだ。




「俺もするから、一緒に頑張ろうぜ?」



「やだね」



「金のためだ、我慢したらガッポリだぞ?」



「………」



「翔夜に会うんだろ?イタリアに行くための金が欲しいんだろ?」



「………」



「別に一生ホストをやるんじゃないし、貯まったらやめればいぃじゃん?」




そうだ、何も
一生ホストをやるんじゃないんだ。



これは、翔夜のため。



翔夜に会いに行くためなんだっ



全ては、




金のため!!!!!!!



おっしゃあぁぁぁあぁあ!!!!




こうなったら、ホストでも土木作業でも
犬の散歩でも



なんでもしてやろうじゃあねぇか!!!!!



ウチは軽く開き直って。




ホスト用のスーツを身につけた。