最近また、症状が酷くなっている。
残され時間は少ないのだろう。

視界がぐにゃりと歪む。

「高校生くん...?!」

ふらりと倒れそうになったところを
寸前のところで如月さんに
しっかりと抱き留められた。

背中に感じる如月さんの手の感触。

「ダメです...如月さんの手に
負荷がかかるから、離してください...」

「高校生くんの馬鹿!
そんなのはどうでもいい。
気にしなくていいのよ。」

ベッドの場所を聞かれて、
自分で行けますと言いつつ答えると
如月さんは僕を抱き上げて
ベッドまで運びそっと横たえた。

無理しないで、と頭を撫でられる。


その優しさに甘えて目を閉じつつ
僕は、如月さんと離れることを決心した。