「毎年、各部活動ごとに素晴らしい出し物がされている。あそ部が何をするのか決めて準備に取り掛からないと間に合わんぞ」

ベンがそう言い、各部活動が今年行う出し物や去年や一昨年の各部活動の出し物がまとめられた紙を一人ひとりに配る。さすがベンさんだ、と思いながら次郎は目を通した。

文化祭でこの学園では各クラスはもちろん、部活動でも出し物が行われる。ミステリー研究部では謎解きコーナーを作り、科学部では実験を披露するらしい。

「今年も盛り上がりそうですね」

次郎は微笑む。学園がいつも以上に賑やかになる文化祭が次郎は楽しみで仕方ない。お祭りが好きなのはみんなも同じで、「楽しみだなぁ」と言っている。

「楽しみなのは俺も同じだ。だがな、俺たちのあそ部も何か出し物をすべきだと思ってな」

ベンの言葉に「ちょっと待つネ」とハオユーが手を挙げた。

「私たち、他にも掛け持ちをしている部活があるヨ。準備に時間がかかりそうなのは無理ネ」