「この音楽好きね〜」

「俺、この女の子めちゃくちゃ好き!!」

インド人のアーディブ・イシャンがテレビで大音量で映画を流し、イタリア人のマルコ・アンジェントと盛り上がっている。

「お前ら、少しは落ち着くネ!このお菓子をやるヨ。ただし、一個六十元(日本円でおよそ千円)ネ」

「……」

中国のお菓子を机の上に広げ、中国人のワン・ハオユーが言う。その隣ではプルプルとドイツ人のベン・レナーテが肩を震わせて俯いていた。

「えっと……」

誰にどう声をかけて部活を始めよう。次郎が困り果てた時、ベンが机を叩いて立ち上がる。全員の目がベンに向けられた。

「お前たち、いい加減にしろ!!今日は文化祭の出し物について話し合うんだろう!!」

ベンがそう怒鳴ったことで、「そんなカリカリしなくても……」と文句を言う者がいつつも全員椅子に座る。次郎もかばんを置いて椅子に座った。

次郎の所属しているあそ部は、活動内容は部室で遊ぶことという部活としてよく認められたなという内容のものだ。次郎はマイケルに無理やり入部させられることになり、初めての文化祭を迎えようとしている。