家に帰ってからの夕飯は、勇ちゃんの結婚式の話で盛り上がっていた。

うちの両親は、まるで自分の息子が結婚したみたいに喜んで、お母さんにいたっては、食事中にもかかわらず、泣いたり笑ったり、大忙しだ。


私は早々と食事を済ませるとリビングを出た。

「琴子どうしたの? 疲れた?」

「え?」

後片付けをしているお母さんから声がかけられた。

「……うん、ちょっと」

冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出しながら、小さく答えた。

「そうよね。なんだかんだ言って一日がかりだものね」

「うん……」

「勇斗くんが結婚して、琴子も寂しいんじゃない?」

「えっ?」

お母さんの言葉に、飲もうと口に当てたミネラルウォーターが驚きで飛び出した。

なんで……私の気持ち知ってるわけないよね!?