「キャァァァァッ!」
放課後、毎日のように聞こえてくる女子の声。だけど、叫ぶのも無理ない。だってーー
「中村ーっ!ボール、こっちに回して!」
ほらね。やっぱり活躍してる。
あの人は私と違って人気者の網付椿くん。私より1年年上。
カッコいいし、憧れの的でもある。
そんな椿くんは私の初恋の人。
でも、そんなの釣り合わないって分かってるんだ。
あっ、自己紹介遅れました!私は室町優梨、中2です。
椿くん(実際は網付先輩って言うんだけどね)、サッカー部の部長なんだ。だから、男子からも愛されている。
そんな"独り言"を心の中で言いながら家に帰った。
〜次の日の放課後〜
今日も女子の人混みを掻き分けながら帰ろうとした。
だけどね、聞こえてきちゃったんだ。
椿くんのチームは今休憩中で、チームメンバーと喋ってた。勿論、聞くつもりは無かった。でも、聞こえちゃったものは仕方ない。
私は身をかがめて耳を澄ましてみた。
「椿ってさ、好きなタイプとかいないの?」
「え?好きなタイプ?うーん。いる....かな〜」
私はドキッとした。
私かもって思ったんだ。少しだけ。
私はもっと良く聞く為に落ち着いて、ドキドキしていた胸の鼓動を遅くした。
「え?どういうの?教えろよ〜ニヤニヤ」
ドックン...ドックン....
私は早くなる胸の鼓動をまた抑えた。
「んー、髪は短めで眼鏡を掛けてて、勉強ができて〜、料理も得意な人かな〜?」
「なんだよそれぇwwそんな奴いねぇってw」
私は驚きを隠せなかった。
だってーー、、

"私と正反対だったから"